交渉は心理学が必要?!明日からの交渉で使える8つの心理学
交渉に苦手意識を持ってしまっている人はたくさんいるでしょう。
しかし、交渉というのは、人間の心理を少し理解するだけで、劇的に上達する可能性があるのです。
そこでこの記事では、明日からの交渉で使える8つの心理学について、詳しく解説していきます。
交渉で使える心理学って一体どれ?
これから紹介する心理学というのは、決して複雑な物ではありませんので、誰でもすぐに理解することができますし、実際の交渉で実践していくことができるでしょう。
では、一体どのような心理学が交渉に使えるのかを、詳しく見ていきましょう。
ドアインザフェイス
この心理学は、比較的大きな要求をした後に、小さな要求をすると、相手が納得しやすくなるという心理を利用した交渉術です。
例えば、1万円の物を5,000円で売ってくれと言うと、
「勘弁してください」
と言われることがほとんどです。
しかし、この要求の後に、
「じゃあ8,000円でお願い」
というと、承諾してもらえる可能性が高くなるのです。
フットインザドア
続いては、先程の心理学とは違い、小さな要求を通すことができると、徐々に大きな要求も通しやすくなるという心理を利用した交渉術です。
例えば、
「少しだけお話を聞いてください」
という小さな要求を通した後に、
「資料請求だけでもいかがですか?」
というような本命の要求をする事で、承諾してもらえる可能性が高くなるのです。
シャルパンティエ効果
これは、イメージによって相手の印象を操作することを指します。
例えば、
・10キロの鉄と、10キロの紙、どちらが重いですか?
と聞くと、多くの人が「鉄」だと答えるでしょう。
ただ、どちらも重さは10キロですので、同じ重さと回答するのが正解です。
このように、人間のイメージによって、印象を操作できることを、シャルパンティエ効果と呼ぶのです。
これは、交渉の場でも使うことができます。
例えば、年会費が10,000円のサービスに入会してもらいたい場合、
「年会費1万円です」
「月会費800円ちょっとです」
「1週間当たり200円ちょっとです」
というのでは、1週間当たりで説明をした方が安く感じますよね。
このような印象操作を用いることで、交渉を成功させやすくなるのです。
イエスセット
人間というのは、「はい」と答えると、次も「はい」と言ってしまいやすくなります。
この心理を利用した交渉術が、イエスセットなのです。
例えば、商品やサービスの交渉に入る前に、雑談やちょっとした質問などをして、「はい」という答えをたくさん引き出すことができれば、本題に入った時も「はい」と答えてもらいやすくなるのです。
アンカリング効果
アンカリング効果というのは、人間が持つ無意識の基準にフォーカスをした交渉術です。
例えば、自販機のジュースが500円だったら、高いと感じるでしょう。
これは、私たちの認識で、
・自販機のジュース=130円から200円前後
という基準が備わっているからです。
これを交渉に役立てる場合は、最初に元値を提示して、その後に割引後の金額を伝えるようにしましょう。
具体的には、
「通常価格は3万円ですが、キャンペーン期間中につき2万円です」
と言われると、安いなと感じてしまうでしょう。
これは、競合他社と価格で比較されている時などに使える交渉術ですので、是非頭に入れておいてください。
ローボールテクニック
これは、良い条件だけを提示して、お客さんからの理解を得た後、デメリットなどを付け加えていくという交渉術です。
例えば、
・契約をした後に違約金の説明をする
・割引があると言った後に、対象外であることを説明する
というような方法です。
ただ、これは使い方によってかなり、姑息な方法になってしまいますので、使うべきタイミングを見計らうことが大切です。
ハロー効果
ハロー効果というのは、第一印象によって、相手からの印象を良くすることができるという交渉テクニックです。
例えば、身だしなみに気を使い、綺麗な肌を維持して、明るい笑顔で挨拶をする事で、
「信頼できそう」
「真面目そう」
という印象を与えることができます。
そうすると、製品やサービスを購入してもらいやすくなりますし、多少のミスであれば目をつぶってもらえる可能性が高くなるのです。
両面提示
これは、交渉以外にも使われる方法なのですが、メリットとデメリットを両方提示することで、お客さんの不信感を取り除くことができます。
メリットしか話さないと、
「本当に大丈夫か?」
「こんないい話が本当にあるのかな」
と不安に思われてしまいます。
そのため、あえてデメリットも正直に伝えて、そのデメリットをカバーする方法を解説することで、お客さんの購買意欲を掻き立てることができるのです。
交渉に心理学を使う時の注意点
このように、様々な心理学を使って交渉を有利に進めることができます。
ただし、中途半端な心理学の知識で交渉を成功させようとすると、相手にカウンターを食らう可能性があります。
また、あからさまに心理学を応用してしまっていると、気づかれてしまう事もあるのです。
そうなると、一気に信頼を落としてしまいますので、しっかりと知識をつけて、イメージトレーニングをした上で、活用していくことをおすすめします。
まとめ
交渉を成功させるためには、人間の心理を活用することが大切です。
今回紹介したテクニックは、全て心理学に基づいて考案されたものですので、正しく実践することができれば、交渉を有利に進めやすくなるのです。
ただし、中途半端な知識だと、相手に気づかれてしまう可能性が高くなりますし、逆にこちらが利用している心理学を逆手に取られてしまう可能性がありますので、注意が必要です。